大きな顔

子供たちは庭で大きな大きな顔を見つけました。
じっとして動かないので、子供たちは困ってしまいました。
耳の横で鼓膜が破れるぐらい叫んでみました。
目の中に砂を入れてみました。
喉の奥に腕を突っ込んでグルグルしました。
しかし、大きな顔はピクリともしませんでした。
そして、日が暮れて、子供たちはそれぞれ家に帰りました。
翌朝、1人、2人と子供たちがその庭に集まって来ました。
もう、子供たちは大きな顔に近づこうとしませんでした。
大きな顔は腐り始めて、臭くてたまらなかったのです。

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