托鉢
托鉢の僧が来ました。
この衣食住の満ち足りた時代に何を差し出せばいいのでしょうか。
お金というところに落ち着くのでしょうか。
それを受け取るときの僧のしたり顔が悔しいのです。
何か特別なものを渡したいのです。
それを受け取ると、すぐさま崩れ落ちて、
今まで僧であったことに嫌気が差し、その場で袈裟を脱ぎ捨ててしまうようなものです。
さて、それは何なのでしょうか。
私はそれを見つけることができるのでしょうか。
もしかしたら私の人生はそれを見つけるための旅のようなものなのでしょうか。

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