少年平氏
身近にある電気製品をよく注意して、分解してみてください。
あまり大きなものよりビデオデッキやCDプレイヤーなどの小ぶりなものをお勧めします。
薄っすらと埃の積もった、小さな部品の並んだ基盤が現れるはずです。
大体の目安ととして正面の右あたりと言われています。
じっと目を凝らしてみてください。
他の電子部品とは趣の異なった感じの小さな銀のプレートが狭い空間に隠れるように直立しているのが見つかるはずです。
更に目を凝らして下さい。
「安徳天皇」、確かにそのプレートにそう刻まれているはずです。
それでは、速やかに分解した部品をもとのように組み立ててください。
そして、それがあったところに戻しておきましょう。
このことは決して他言せず、あなたがいづれ入るであろう墓場まで大切に持っていって下さい。
確かにこんなことは迷信として片付けてしまうことが現代においては無難ではありましょうが、
戦後驚異的な発展を続けた日本の電気産業にとって、
壇ノ浦に沈みつつある二位の尼がわが胸に抱きまいらせた御幼帝安徳天皇の面影なくして、
電球ひとつでさえその明かりを灯すことができないのも我々日本人にとって確かな事実なのです。
Electricity
There are many electric company in Japan.
Those are made up of the devotion of many boys.