何を考えているのかわからない、そういう顔があります。
我々はそんな表情の中に秘められた神秘のようなものを感じ取ってしまうものです。
そういった場合、その人物が町を歩いているところを気付かれない様に、
後を付けることをお勧めします。
その男が四つ角や三叉路にさしかかったとき、あなたはその都度、男が選ぶ方向を予想していくのです。
微妙な肩の動きや視線、ちょっとした独り言など、
様々な兆候に細心の注意を注ぎましょう。
そして、1時間もその男の後を付ければ、男が何を考えているか大体の目星がつくようになるでしょう。
それでは、今一度、絵を見て下さい。
1本の指は1時間を表しているのでしょう。
そうです。1時間も歩き続けて目的地に辿り着けなかった間の抜けた男の顔なのです。

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