インテリア
テレビのスイッチを入れてみましょう。
画面には何も映らず、ザーというノイズの音が聞こえるだけです。
それはテレビの後ろに飾られた平等院鳳凰堂の傍らを流れる宇治川のせせらぎの音かもしれません。
鳳凰堂は藤原氏の栄華です。
ときの関白、藤原頼道の驕れる心です。
それにしても私の栄華はどこにあるのでしょう。
頼道が朝の散歩の途中、何かの死骸と間違えて、ひょいと宇治川に流したのかもしれません。
末法思想はそのとき以来、私の心の宇治川を流れ続けているのです。

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