塔の瞑想

ソファーの背もたれの白いカバーに描かれているのは伊勢海老の生まれて間もない幼虫の姿です。
何も生物だけが幼虫という段階を踏むのではありません。
椅子の幼虫、枕の幼虫、自転車の幼虫、あらゆるものに幼虫という段階があるのです。
18世紀、イギリスから始まった産業革命とは生産過程における幼虫の段階を解消するための改革だったのです。
そのとき蒸気機関が果たした役割は大きかったようです。
現在、産業界において蒸気機関の使用は皆無です。
それは様々な幼虫たちの復活の喜ばしい前兆ではないでしょうか。

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