足を上げる子供たち
ちょっと目を離した隙に子供たちはごろっと仰向けに寝転んで、
足を空に向けて自転車でもこぐ様に動かしている。
そして、言うのだ。
「足の血が頭に集まって来て、気持ちがいいんだ。」
「立っているなんて、疲れるだけだ。」
そんなことを言われて、黙っていられる大人がいるだろうか。
しかし、ここは落ち着いてじっと待っていよう。
西に沈んだ太陽が翌朝東の空に昇ってこなかったことはないのだから。
もちろん、東から登った太陽が西に沈まなかったこともないのだが。

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